救急車のこと④

病院からは
タクシーは今この辺りにいないので
大きな通りまで出て
呼び止めるよう言われたけど
とてもそれができる状態ではなかった。

それどころか激痛こそ治ったけど
お腹はまだ痛く3分おきにトイレにいく始末。
こんな状態でホテルに戻らなきゃいけないのかと
しばし途方に暮れた。

でも仕方がない。
いられないなら帰るしかない。
病院までタクシーを呼ぶと
別途料金がかかりますと言われたけど
そんなことは気にしていられず
自分でタクシーを呼びホテルに向かった。

保険証を持っていなかったため
病院代 55,000円。

タクシー代 6,000円。

ホテルに着いたのは早朝5時。
幸いだったのは早朝でまだ人がまばらだったのと
コートがあったこと。
救急隊員が持ってきてくれていたパンプスを素足に履き、
上半身は下着1枚に
膝丈のホテルのパジャマのみ。
もしコートがなかったらそのままの格好で
ホテルのフロントに行くことになったわけで。
それだけは本当に不幸中の幸いだった。